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【ラジオ・ヒッチコックR】

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『シャレード』スタンリー・ドーネン監督を偲んで…

どーも、ロッカリアです。
今年はインフルエンザだわ、ノロウィルスだわ、体調管理が大変です。
そろそろ元気が戻ってきたので、また頑張ってブログを更新していきます。

さて、映画という文化が世の中から消え去らない限り、名作を一つでも世に送り出した監督の名前は永遠に語り継がれ、忘れられる事はないでしょう。
ましてや、『雨に唄えば』『パリの恋人』『くたばれヤンキース』など、多くの名作を残したスタンリー・ドーネンなら言うまでもない。
94歳。訃報を聞いてまず最初に驚いたのは、まだご存命だったのか、と言う事でした。(反省…)
そして、氏の訃報を聞いて、僕の場合、真っ先に浮かんだ映画が『シャレード』でした。
とても思い入れの深い映画で、初めて見たのが1970年代半ばで、『シャレード』の意味が「謎解き」だと教えてくれたのが、最近になって「サヨナラおじさん」こと、淀川長治氏だと分かりました。
スターチャンネルで、氏の解説付きで『シャレード』オンエアされたからです。(名解説!)
そこで淀川氏が言っておられたのは、この作品はヒッチコックのミステリー・タッチでわざと作られている、と言うことでした。

シャレード

当時見た頃は十代だったので、あんまり理解していなかったが、歳を重ねるごとに、その意味が分かって来ました。
スタンリー・ドーネン監督は、ヒッチコックへのオマージュ、パロディ、リスペクト(あるいは嫉妬)をこの作品に詰め込んでいて、「この作品はヒッチコックが作った」と言われたら信じてしまいます。
まず、主演のオードリー・ヘプバーンの相手役がケーリー・グラントで、彼はヒッチ作品の常連さん。
実は彼、この『シャレード』の出演に際し、オードリーと恋愛関係になる設定に歳が離れ過ぎていると渋っていました。(25歳差)
どうしても彼を使いたかった監督は、設定を変えてまで彼を説得したんですね。
と言うのも、ヒッチコックはケーリー・グラントのような男になりたかった。ヒッチあこがれの男性像であり、映画に出ているケーリー・グラントはヒッチの分身だったから、と言う背景があったんです。
結果、ケーリー・グラントのとぼけた演技が功を奏して、ヒッチ作品を見ているような錯覚に陥ります。

オープニングで、いきなり走る列車から人(死体?)が投げ出され、「ん? 何のこっちゃ?」と思わせるところからヒッチタッチだし、続くタイトルバックはまるで『めまい』のようだが、その『めまい』のグルグル回るアニメーションに対して、こちらは直線的な表現。この辺にヒッチに対する闘争心が感じられます。(笑)
ストーリーと解説は「シネマの自由時間」を参照してもらうとして、この頃の、監督同士の遊び心のようなものが、観客にも伝染して面白い作品がたくさん生まれたんですね。
未見の人は是非ご覧あれ。

僕はこんな形でしか個人を弔う事が出来ませんが、ある意味、こう言ったことが映画ファンの使命かもしれないなぁ……。
心からご冥福を祈ります。

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