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【ラジオ・ヒッチコックR】

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『なんとなく、クリスタル』のサントラ盤、懐かしい。

どーも、ロッカリアです。

リビングを整理していると、レコードラックもついでに埃を払おうとレコードを取り出す。
これが地獄門の扉を開けることになる。
本棚の整理もそうだけど、レコード(や本)を手に取ると、何時間もその場から動く事ができなくなる。
ま、それも楽しいんですけどね。
そこで、ちょっと珍しいサントラをご紹介。
レコード自体は結構売れたから、同世代の人なら「ああ、あれね」と思われるでしょう。

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田中康夫氏の小説「なんとなく、クリスタル」は、私が二十歳の時に出版され大ヒット、私も読みましたが、そのシチュエーションが少し変わっていました。
新大阪から東京に出張する新幹線の中で読んだのです。
すごい衝撃でした。
これと言った大事件が起こるわけでもなく、ミステリー小説でもない。
ファッションモデルの女子大生の生活が、淡々と描かれているのだが、洋楽には結構うるさかった私にとって、小説の中に実名のアーティストの曲がどんどん出てくるし、『サタデーナイト・フィーバー』を見て、すでにディスコにも行っていたので、リアルに描写された文体からイメージが膨れ上がり、東京に到着する頃には、すっかりクリスタル族になっていました。
特に、主人公が吸うタバコがセーラムと言う銘柄で、駅の売店ですぐに買ってみました。
すごいハッカ味がまた衝撃的で、しばらくの間セーラムばかり吸っていました。(現在は絶煙しました)
次の年ぐらいに、かとうかず子主演で映画化され、その時に発売されたのがこのサントラ盤でした。

A面

1. I Go Crazy / Paul Davis
2. Call Me / Randy Vanwarmer
3. 99 / TOTO
4. Young Girls / The Isley Brothers
5. We Are All Alone / Boz Scaggs

B面

1. Tell Me That You Love Me / Steve Gibb
2. The Old Songs / David Pomeranz
3. You Can Have Me Anytime / Boz Scaggs
4. Seeing You / Jimmy Messina
5. Moonlight In Vermont / Willie Nelson



小説にも出てくるアーティストの曲がいっぱい。
AORを中心にラインナップされていますが、アルバム最後の曲、ウィリー・ネルソンの「ムーンライト・イン・バーモント」が、小説の中では朝から流れて、主人公が朝からこの曲は辛いと行った意味が、曲を聞いて納得したのを覚えています。
中でもアイズレー・ブラザーズの「ヤング・ガール」は衝撃的でしたね。

ウィリアム・ギブソンがサイバー・パンクで、コンピュータ用語をスラング語のように扱っていましたが、それよりも早く、ファッション用語やブランド名が、スラングのように書かれていたのに、カルチャー・ショックを覚えました。
残念ながら、映画はソフト化されていません。(CDも未発売)
音楽をここまで大胆に、小説の中に取り入れたのは、この「なんクリ」が走りだったのではないでしょうか。
後に訪れるバブル全盛期に、DCブランドが横行しましたが、この小説の影響がモロ反映されたのは言うまでもありません。
田中康夫氏は、この小説の数年後に、「たまらなく、アーベイン」と言う本格的な音楽エッセイを執筆しました。

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アーベインとは、アーバンのネイチャー的発音で、AORの名盤100枚を、時々のシチュエーションで紹介しています。
これは当時発売された本の復刻版で、3年前に本屋さんでセレンディピティ、即買いしました。
450ページ以上のボリュームで、どこから読んでも音楽に触れることが出来ます。
最近ポール・デイビスのCDを買いましたが、「アイゴー・クレイジー」が目的でした。
LPの音質は曲によってクリアだったり悪かったりしますが、このアルバムに秘められた個人的な思い出は、曲をどこかで聴く度に再生されます。
レコードラックの中には、確かに私の青春が詰まっていました。

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