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【ラジオ・ヒッチコックR】

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『君の名は。』歴史改変SFだったんだ…

どーも、ロッカリアです。

恋愛ファンタジーと単純に言い切れないほど、SF的に感じる。
どうして男女が入れ替わるのか、というロジックの説明はないが、時空を超えて入れ替わる、というのがミソ。
本人たちは夢を見ていて、その中で入れ替わっていると思っている。
だが、実際は朝目が覚めると入れ替わっていたり、元に戻ったりする。
ただ、時空を超えていることに気がついていない。
時空とは、三次元、つまりX,Y,Zの座標軸に時間を足したものをいうが、この作品では都会に住む高校生の男子、瀧(タキ)と、田舎の女子高生、三葉(みつは)の間には3年間の隔たりがある。この3年が、歴史改変の物語を紡いでいく。

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美しく描かれた彗星の一部が、残酷にも三葉の住む村に墜落し、村が消滅するほどの被害と、多くの人々の命を奪ってしまう。
この中に、三葉も含まれていた。
三年後にその事実を知った瀧が、その災害にリアルタイムで直面しようとしている村を救うために、三葉と入れ替わる。
これだけのSF設定なのに、まるで恋愛ファンタジーのように思えるのは、今必死に病気と戦っている大林宣彦監督の『転校生』の要素と、田舎と都会に住む同世代のカルチャー・ショックが面白く描かれているからだ。
また、時間に関する説明を、伝統工芸の組紐を使ってわかりやすく語られるのも興味深い。
中でも、黄昏時のエピソードは、心が震えるほど美しいものだ。

若い世代には瀧と三葉の生活が楽しいし、私みたいな世代にはSF的な展開が面白い。
複眼的に見られるこの映画だが、ラストへの想いは、世代や性別を超えて、ただ一つのことを願わずにいられない。
これが新海誠のマジックなのだ。

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