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【ラジオ・ヒッチコックR】

コンセプトは読むラジオ。映画や音楽の話題で楽しみましょう!

『モーガン:プロトタイプ L-9』最近多いネタ、と言える 

どーも、ロッカリアです。

DNAを操作して、新しいアンドロイドを作り出す。
今、AIの進化に呼応するように、ロボットも実際に進化していて、映画で描かれるアンドロイド、あるいは人間より凄いレプリカが、現実に姿を現してきています。
先の東京オモチャ・ショーのソニーのブース前にいた、女性のアンドロイドは鳥肌もの、でしたね。
さて、現実がSFを超えだしてきた今、映画の世界でも同じことが言えて、新しいものをただ出して、さあどうでしょうと言われても、ピンとこなくなってきました。

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この映画の人間のレプリカは、赤ちゃん誕生から育てて、5歳児ながら見た目は高校生ぐらいの女の子。
この女の子がモーガンで、完璧な人間に成長させるために、大手企業がプロジェクトチームを作り監視していた。
ところが、朝食を共にしようとした女性に飛びかかり、大けがをさせる事態が。
本社からその調査に出向いてきたのが、この映画の主役のリー(ケイト・マーラ)という女性。
彼女は、チームの全員がモーガンを我が子のように接しているのが気になったが、同時にモーガンが時々見せる別人のような表情を見逃さなかった。
この映画のうまいところは、モーガンがいかに人間らしく成長していくのか? を主題にしているように、ミスリードしているところだ。
とっても可愛らしい女の子なのに、「どうして暴力振るっちゃうんだよ〜、ダメだよ〜」などと親父目線で見ていると、ある時点からガラッと映画の性質が変わり……。

ただ、冷静に見ると、矛盾も多く、予想できる展開ですが、最後の最後に、もう一度観客は騙されることになるのが、この映画のミソじゃないでしょうか。

絶賛するまでには行かないが、他の映画との差別化には成功していると思います。
リドリー・スコットがプロデュースしていて、期待しないで見れば、そこそこ楽しめる作品、という感じです。

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『地下鉄(メトロ)に乗って』気ー悪っ! 

どーも、ロッカリアです。

地下鉄を使ったタイプスリップもの。
なぜ地下鉄に乗るとタイムスリップしてしまうのか? と言う科学的な説明等は一切なく、ただドラマのためにタイムスリップする。
ま、コニー・ウィリアムスや、タイムスリップが大掛かりなフェリックス・J・パルマの「宙の地図」「時の地図」でもとにかくタイムスリップする、と言うのが前提だから、別にいいんだけどね。
とにかく過去と現在を行ったり来たりします。

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父の性格の悪さゆえ、親子の縁を切った主人公の長谷部真次(堤真一)は、その父が入院した日に地下鉄に乗ると、昔住んでいた街とその時代にタイムスリップしてしまった。
そこで、交通事故で死んだ兄の運命を変えようとしたり、父の小沼佐吉(大沢たかお)の若き日の姿、戦後混乱期にたくましく生きて、幸せな家庭を築こうとする姿を目にする。
物語の後半になる程、父に対する考え方は変わって行き、定番な描き方だが、父のことを許していくようになる。
だが、個人的な意見を辛辣に言わせてもらえれば、冒頭で妻を殴るような男が、過去にどんなに立派であろうが、これは許し難い行為に見える。
真次は、父を否定しながらも、気付けば自分も同じようなことをしている自分に気がついていない。

これだけならまだいい。
とにかく許せないのが次シークエンスだ。
真次は、会社のみち子と不倫関係にあるのだが、彼女もなぜか同じようにタイプスリップしてしまう。
そして、ラストで彼女に起こる出来事を見て、思わず声が出てしまった。
「そ、そんなバカな」と。
過去を変えれば未来が変わる。
パラドックスを除けば、タイムスリップの定番ネタだが、とんでもない、許しがたい使い方をしている。

ここからネタバレ注意してください。

これはみち子と真次の話だが、過ちを消そうとして、過去の出来事を変えてしまう。
もっと明確に言えば、みち子と真次の関係が禁断の中だと分かった時から、みち子は生まれて来なかったことにしようとしてしまうのだ。
どんな過ちを犯しても、生きていこうとするのが、映画の主人公ではないのか?
重い過去を背負ってでも、前を向いて行こうと努力するのが主人公ではないのか?
それを、生まれて来なければ全てうまく行くとした決着は、見ていて腹立たしい。
あまりにも切なすぎる。
この世に生まれて来なければよかった命、そんなモノがあるはずないじゃないか。
どんな人間にも、この世に生まれてきたからには、きっとその人の大切な人生があるはずだ。
この結末には、どんな綺麗事で修飾しようと、後味が悪すぎる。
久々に毒舌が炸裂する作品を見てしまった。

私自身が過去にタイムスリップして、この映画を無かったことにしてやりたいっ! と言えば言い過ぎなんだろうか……。

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『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』あらら? 

どーも、ロッカリアです。

さあ大変だ。
この映画の主人公、魔法生物学者のニュート・スキャマンダーと、闇祓いの専門家でヒロインのティナ・ゴールドスタインの二人を差し置いて、私の心に魔法をかけたのは脇役の二人でした。

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資金調達を銀行に断られて、パン屋さんを開業できない太っちょのジェイコブ。
彼は絵本に出てくるような正直者で、ステレオタイプかもしれないが、純真な心の人間を見るのが、私は好きなようだ。
もう一人はティナの妹で、他人の心が読めるクイニーだ。
見た目もとてもチャーミングだが、人の心が読めるが故に、なかなか人を信用できない性格だ。
この二人は出会ってすぐに好印象を抱き、やがて恋に落ちていくが、人間と魔法使いの恋の行方は、ちょっと切ないと感がする。
私はこの二人はが気になって仕方がなかった。
「お前は一体どこを見てるんだ?」とお叱りを受けるかも知れないが、この二人の存在がこの映画のスパイスになっていて、いい味を出しているんです。
主人公の二人を見ていると、心の内があんまり見えてこないし、視点が定まらないので、なんだか魔法の凄さ、つまりCGの出来を見せられている印象が強くなってしまう。
舞台装置だけでは、観客はすぐに飽きちゃうのですよ。
ここに割って入ってくるのが脇役の二人だった。
『ハリポタ』の前日譚という立ち位置の作品だが、大人の恋愛(と言ってもちょっとイノセントすぎる)をちゃんと描いているのはいいね。
あと、アタッシュケースのアイデアだけど、芳崎せいむのコミックス「鞄図書館」を思い出しました。
勧善懲悪の魔法の物語の中に、ピュアな恋愛があることで、作品自体は好印象だ。
ただ、ストーリーは平凡でした。

主人公を食ってしまうのは、CGでも豪華なセットでもなく人間の脇役なんです。
それはアラン・ドロンの時代から今日まで、ずう〜と。
そして映画ファンの私は、未来においても、そうあって欲しいと、願わずに入られません。

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『レイズ・ザ・タイタニック』トンデモ映画だ! 

どーも、ロッカリアです。

昔から見たくて、夏にソフトが発売された時にどうしようか迷ったんですが、BSイマジカ(今月10月からシネフィルWOWOW)でオンエア、さっそく録画して見ることができました。
悲劇的な最後を迎えてしまった豪華客船タイタニック号。
実はその積み荷の中に、「シシリー計画」と言う、アメリカがミサイル防衛に必要なビザニウムと言う鉱石が積まれていた、と言う作り話がこの映画の核だ。
そんな計画も存在しなければ、ビザニウムと言う鉱石も作り事、実在しない。
つまり、原作者のクライブ・カッスラーも、なんちゅう映画だ! と酷評していることから、作品の出来も、ホント良くない。(原作の細かい、重要なプロットを全く無い物にしていますから)

(↓アメリカ版のこのポスターはいけてる! しかも長い)
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出演は主役にリチャード・ジョーダン。
この人で印象に残っている映画といえば、『2300年未来への旅』でも『デューン:砂の惑星』でも『インテリア』でもない。
マイケル・J・フォックスの伯父さん役だった『摩天楼はバラ色に』だ。
その共演にジェイソン・ロバーツとくれば、この映画の地味な感じもわかると言うもの。
え? タイタニック号を深海から引き上げる映画なのに地味?
そんなはずはない! すごいスペクタクル作品に違いないだろう! と意義を唱えたい人の気持ちもわかります。(私がそうでしたから)
実際、特撮技術に関しては、マニアには萌える要素が結構あり、良く出来ています。

では、何がそんなにひどいのか?
それは、タイタニック号を引き上げる計画に無理がありすぎる。
深海艇が、海底3500メートルを簡単に行ったり来たりするし、引き上げる計画を簡単に前倒ししたり、何十年も深海にあった死体が原型のままだったり、浮上したタイタニック号は、いくら穴を塞いだからといって普通に浮いて、細いロープ1本でニューヨークまで曳航したり(しかもロープが張ってない)、もう観客を舐めきっているとしか言いようがありません。(第一回ラジー賞にノミネートされたんだよ、と言えば多少理解してもらえるでしょう)

さらに、この作品を不幸にしているのは、キャメロンが後年に制作した『タイタニック』の存在だ。
実際にタイタニック号が眠っている深海まで行き、沈む工程をコンピューターでシミュレーションして、タイタニック号は自重に耐えられずに折れた、と言うこと知らされている今では、この映画での原型のままの姿は絵空事になっている。

そして最後は、何じゃそら、と言うオチが待ち構えている事を付け加えておきましょう。

余談ですが、オープニングは本物のタイタニック号を製造、出航、楽しそうな船内を映し出したモノクロ写真と、ジョン・バリーの音楽が、船に乗り合わせた人々を待ち受けている悲劇を浮き彫りにさせる印象深いオープニングです。

もう一つ余談ですが、タイタニック号の生き残りとして、名優アレック・ギネスが出ていますが、『スター・ウォーズ』から3年ほどしか経っていないのに、かなり太り、年老いた印象になっていました。

どうしても見たい人だけ、ご覧ください。

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『ブルークリスマス』今を語っているのかも知れない 

どーも、ロッカリアです。

公開当時(1978年)、SF専門誌の「スターログ」に、こんな一文が踊っていた。
「スター・ウォーズに対する日本の答えがこれだ!」
語句の正確性は保証できませんが、要するに、大ヒットした『スター・ウォーズ』に対抗して作られた映画が、この『ブルークリスマス』だと言うことだ。
当然、この映画も特撮をバリバリに使ったSF映画だと思ったが、観客の予想を裏切り、極めてポリティカルな内容になっています。

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あらすじはこう。
世界各地でUFOを目撃した人々は、知らないうちに血液が青くなる現象に見舞われた。
自衛官の勝野洋が好きになった竹下景子もその一人で、国家が青い血の人間を脅威に感じ、クリスマス・イブに全員を虐殺しようと極秘に計画を進める。
この計画により、勝野と竹下は悲劇のクリスマス・イブを迎える……。
これは民族浄化と称し、テロやゲリラ、あるいは白人至上主義と言った現代の出来事を予見したかのような展開に驚く。

前半は、仲代達矢が主役で、姿を消した重要人物、兵藤博士の行方をニューヨーク・ロケで見せるが、その後もパリまで足を延ばす、なんとも贅沢なロケが行われている。
その一方で、特撮を得意とする東宝が、ほとんど特撮を使わずに仕上げたこの作品、公開当時は大コケした映画だが、一部の映画ファンの間で、名画座で繰り返し上映されるたびに評価を上げて言った。

今、DVDで見直してみるとどうか?
例えば、人間の体は毛細血管が張り巡らされているが、体内を流れる血液が青ければ、当然皮膚にも反映されて青っぽくなるだろうし、UFOを見た人間の血がなぜ青くなったのか、青くなる意味の説明もないし、その目的も一切不明だ。
ラスト・シーンの二人に起こる悲劇も、勝野の行動に疑問が残るし、雪の上を液体があのように流れることはありえない、映画上の演出だと冷めてしまう。

ところが、倉本聰氏の脚本は、前記のように、ナチスがユダヤ人を地上から消そうとしたように、物語のテーマには、昨今のアメリカ・ファーストや白人至上主義のように、自分たちだけが良ければそれでいい、と言う考えに一石を投じているように思えて仕方がなかった。

扱っているのはとてもSF的なのに、全くSFを感じさせない映画、と言えばわかってもらえるでしょうか。


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