09«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»11

【ラジオ・ヒッチコックR】

コンセプトは読むラジオ。映画や音楽の話題で楽しみましょう!

『ブルークリスマス』今を語っているのかも知れない 

どーも、ロッカリアです。

公開当時(1978年)、SF専門誌の「スターログ」に、こんな一文が踊っていた。
「スター・ウォーズに対する日本の答えがこれだ!」
語句の正確性は保証できませんが、要するに、大ヒットした『スター・ウォーズ』に対抗して作られた映画が、この『ブルークリスマス』だと言うことだ。
当然、この映画も特撮をバリバリに使ったSF映画だと思ったが、観客の予想を裏切り、極めてポリティカルな内容になっています。

DSCF3695.jpg

あらすじはこう。
世界各地でUFOを目撃した人々は、知らないうちに血液が青くなる現象に見舞われた。
自衛官の勝野洋が好きになった竹下景子もその一人で、国家が青い血の人間を脅威に感じ、クリスマス・イブに全員を虐殺しようと極秘に計画を進める。
この計画により、勝野と竹下は悲劇のクリスマス・イブを迎える……。
これは民族浄化と称し、テロやゲリラ、あるいは白人至上主義と言った現代の出来事を予見したかのような展開に驚く。

前半は、仲代達矢が主役で、姿を消した重要人物、兵藤博士の行方をニューヨーク・ロケで見せるが、その後もパリまで足を延ばす、なんとも贅沢なロケが行われている。
その一方で、特撮を得意とする東宝が、ほとんど特撮を使わずに仕上げたこの作品、公開当時は大コケした映画だが、一部の映画ファンの間で、名画座で繰り返し上映されるたびに評価を上げて言った。

今、DVDで見直してみるとどうか?
例えば、人間の体は毛細血管が張り巡らされているが、体内を流れる血液が青ければ、当然皮膚にも反映されて青っぽくなるだろうし、UFOを見た人間の血がなぜ青くなったのか、青くなる意味の説明もないし、その目的も一切不明だ。
ラスト・シーンの二人に起こる悲劇も、勝野の行動に疑問が残るし、雪の上を液体があのように流れることはありえない、映画上の演出だと冷めてしまう。

ところが、倉本聰氏の脚本は、前記のように、ナチスがユダヤ人を地上から消そうとしたように、物語のテーマには、昨今のアメリカ・ファーストや白人至上主義のように、自分たちだけが良ければそれでいい、と言う考えに一石を投じているように思えて仕方がなかった。

扱っているのはとてもSF的なのに、全くSFを感じさせない映画、と言えばわかってもらえるでしょうか。


category: ハ行

tag: 特撮  ハ行 
cm 0   tb 0   page top

特撮の雄、土屋嘉男氏を偲んで…… 

数々の特撮映画に出演され、なくてはならない存在だった土屋嘉男氏が、今年の二月に肺がんで亡くなられていた、というニュースが今日伝わってきました。
氏を偲んで、以前のブログの記事を掲載します。
急な訃報だったので、イラストも以前のままで。


変身人間シリーズ(美女と液体人間、電送人間)の最期を飾るのがコレ。
前二作で刑事役をしていた土屋嘉男が、ガス人間こと水野を熱演している。(一見、雨上がりの宮迫に似ている?)
今回のヒロインは、日本舞踊の家元、春日藤千代を演じる八千草薫だ。
もと、タカラジェ
ンヌの彼女はこの時29歳にして、数多くの映画に出演していた。堂々たる演技には凄味さえ感じるが、それ以上に見た目の美しさ(いや、可愛らしさと言った方がいいかも知れない)が、同年代の女優さんと比べても群を抜いている。
スクリーンショット 2017-09-06 22.24.00

物語は、銀行が襲われて現金が奪われるが、この事件には警察も頭を抱えてしまう謎が残った。
ひとつは、銀行員の死因で、窒息死なのだが、何が原因で窒息したのかが分からない。二つ目は、犯人がどうやって金庫室に入り出たのか。
と言うのも、金庫室のカギは死んだ銀行員が持っていて、合カギは本社にちゃんと保管されていたからだ。
ま、この辺は映画のタイトルから、見ている方は簡単に想像できるけど……。
その一方で、別の事件の犯人を追いかけていた岡本警部補(三橋達也)のパトカーは、山道でコントロールを失い事故を起こしてしまう。
何やら音がする方に歩いて行くと、一軒の家に辿り着くが、そこで般若の面を付けて踊る女性を目にする。
面を取った素顔のあまりの美しさに目を奪われるが、この女性こそ、斜陽の春日流をなんとか守ろうと発表会を開こうとするが、舞踊界ではもはやだれにも相手にされなくなった藤千代だった。
実は、ガス人間と呼ばれるようになった水野(自分で、俺はガス人間第一号だ、と名乗る)が、愛した藤千代の為に銀行強盗を繰り返し、そのお金を発表会や演奏家、家元たちに渡す資金としていた。
藤千代は、そんな理由も知らずに、水野からお金を受け取っていた。
水野がガス人間であることを知った後も、水野を拒絶する事無く、結婚すら考えているように見えたのだが……。

この映画は、人間でありながら異形となってしまった水野と、その愛を受け入れようとする藤千代の純愛を描いている。
また、この作品では、邦画には珍しいマッド・サイエンティストが登場する。
水野がガス人間になってしまったのも、この博士の実験による副産物なのだ。
特撮スタッフは、人間をガス状に見せるのに苦労したと思う。
本編では使われなかったが、水野のゴム人形を作って、ガス化の際に、中の空気を抜いて、姿をしぼませる演出などが予告編で見る事が出来る。
また、ラストのスペクタル・シーンでは、実写と寸分違わないビルの炎上、消火シーンには、思わずお見事!と声を掛けたくなる。

これで、変身人間シリーズは一応終了するが、この大人向けに作られた恐怖特撮シリーズのテイストは、以後も人気を呼ぶ『吸血ゴケミドロ』『吸血髑髏船』、そして、傑作『マタンゴ』へと受け継がれて行った。
もちろん、この恐怖のテイストは初期のゴジラ・シリーズや巨大怪獣シリーズにも影響を与えた。
どの作品のどの部分にその影響を見る事が出来るのかは、今後、このブログで取り上げるかも知れないし、取り上げないかも知れない。
「お、ブログ読者を煙に巻く気か!?」
いいえ、ガスです。


心からお悔やみ申し上げます。

category: 過去記事リミックス

tag: イラスト  特撮 
cm 4   tb 0   page top

『妖星ゴラス』無茶苦茶が時に面白い! 

どーも、ロッカリアです。
バテ気味です〜。
このDVDは年末に見ようと思って去年買っていたものです。
やっと見れました。

DSCF3687.jpg

今から55年前の作品。
ハッキリ言ってもう無茶苦茶である。
質量が地球の6000倍もある黒色矮星ゴラスが、地球めがけてやって来る。
大きさは地球の4分の3だが、衝突すればもちろん地球は消滅する。
そこで考えたのが、南極に巨大なロケット推進装置を何台も取り付けて、地球の軌道を変えてしまえ、という結論に。
そんなバカな!
天文物理学などクソ食らえ! だ。
とにかく都合のいいように解釈して、物語は進んでいく。
うそぉ〜、と思いながら、んなバカな、と思いながら、物語が終わりに近づいていくと、ハラハラドキドキ、息を飲んで見てしまった。
映画は時に、こんなに荒唐無稽な話を、見事に作り上げてしまう。
それは、この特撮を担当している東宝の、信じられない作り込みがそうさせているのだ。

たどえば下のシーン。
白川由美が部屋にいるが、窓の外の風景は、描き割りやマット合成と言ったものではなく、全部ミニチュアによるセットなんです。
DSCF3690.jpg
(写真は画面をキャプチャーしたもの)

もう、CGを見慣れている今の目で見れば、奇跡としか言いようがない作り込みだ!
そりゃあ、地球やゴラスをよく見ればピアノ線が見えるし、宇宙ステーションや飛行機だって吊るしてあるの分かる。
それらを含めて、全部手作りで一つの映画を作り上げるというのは、現代から見ても驚異としか言いようがない。

話はガラッと変わって、この映画には、後に制作された「ウルトラマン」に登場するジェットビートルが、国連ビートルとして飛んでいるのが有名です。
この国連ビートルは、ジェットビートルに流用はされていませんが、デザインはそのまま、と言っていいでしょう。

DSCF3689.jpg

昔の特撮映画には、当時の映画人の熱い情熱とアイデアが満載なんです。
ただ、ゴラスを避けた後、地球を元の軌道を元に戻さないといけないのだが、その方法が……。
思わず、「おいおい」と言いたくなりますが、エンドタイトルを見ながら、笑顔になっている自分がそこにいました。

ちなみに、これも余談ですが、この映画にインスパイアされた小説があります。
DSCF3693.jpg
この小説は、現代物理を駆使して、読者も納得なので、興味のある方は一読をオススメします。

 

category: ヤ行

tag: 特撮  ヤ行 
cm 0   tb 0   page top

特撮秘宝「平成ゴジラ30年」という本を買いました 

どーも、ロッカリアです。

特撮秘宝の第6弾となるムックを買いました。
『ゴジラvsビオランテ」から『シン・ゴジラ』までのシリーズを特集していますが、それだけじゃなくて、ガキの頃によく見た「ウルトラ・ファイト」や、「流星人間ゾーン」「帰ってきたウルトラマン」から、今年後半に公開されるゴジラの初アニメメーション、『GODZILLA:怪獣惑星』の最新情報まで網羅されています。

↓この表紙のモゲラのかっこいい事!
DSCF3629.jpg

特筆するのは、私の大好きな作品、『怪獣大戦争』の脚本が完全掲載されている事。
映画をよく知っているから、脚本と映像化の違いなんかもよくわかります。

個人的には『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃 』が平成ゴジラの中では作品的に好きで、『ゴジラ2000:ミレニアム』のゴジラは造形的に好きです。
あと、3式機龍の造形も時代にマッチしていて好きです。
平成ゴジラ・シリーズは、結構ストーリーに変化と工夫があって面白いですよね〜。
これは本はもう、ゴジラ・マニラと特撮ファンにはオススメで、ゴジラの世界観をより深く楽しみたい人は必読の本です。


category: 迷宮図書室

tag: 映画本  ゴジラ  特撮 
cm 2   tb 0   page top

「ウルトラ怪獣幻画館」という本を買いました 

どーも、ロッカリアです。
ささ、特撮ファンはこの指とまれ!
と言うことで、前々から気になっていた本を買って来ました。

実相寺昭雄氏の名前は、「ウルトラQ」「ウルトラマン」「ウルトラセブン」等々の監督て知られていますが、黒澤明監督もそうでしたが、天は二物を与えた、ということがこの本を見ればわかります。
 
DSCF3622.jpg

みうらじゅん氏が推薦文で、「全部掛け軸にして床の間に飾りたい」と言っているように、透明水彩に近い色使いで、特撮世代にはお馴染みの怪獣が描かれています。

DSCF3623.jpg

ウルトラセブン第8話「狙われた街」の絵でも分かるように、全ての絵に実相寺氏がその作品に対する思いを筆に託して絵の上から書いています。
みうら氏が言っているように、墨絵の掛け軸のような趣があります。
このメトロン星人とダンの有名な四畳半のシーンでは、「宇宙人には座布団をすすめるべきか」という言葉が添えられています。

DSCF3624.jpg

これもセブンの大好きなエピソード、45話の「円盤が来た」のペロリンガ星人。
「星を見すぎると、宇宙人が誘いに来る」と、実相寺監督が、夜空を見上げて本当にそう感じたんじゃないか、と思わせる言葉が書かれています。

文庫本で、100ページほどですが、これは特撮ファンにはオススメの一冊です。





category: 迷宮図書室

tag: 特撮 
cm 2   tb 0   page top

プロフィール

最新コメント

リンク

月別アーカイブ

ようこそ

最新トラックバック